.\" .\" Copyright (c) 1994 University of Maryland .\" All Rights Reserved. .\" .\" Permission to use, copy, modify, distribute, and sell this software and its .\" documentation for any purpose is hereby granted without fee, provided that .\" the above copyright notice appear in all copies and that both that .\" copyright notice and this permission notice appear in supporting .\" documentation, and that the name of U.M. not be used in advertising or .\" publicity pertaining to distribution of the software without specific, .\" written prior permission. U.M. makes no representations about the .\" suitability of this software for any purpose. It is provided "as is" .\" without express or implied warranty. .\" .\" U.M. 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test は [ として起動することもできる ln sh -sh # init は argv[0] を "-sh" としてシェルを起動する special myprog objpaths /homes/leroy/src/myinstall.o # ソースなし libs -lutil -lcrypt .fi .Pp このコンフィギュレーションファイルでは、 いくつかの基本的なシステムユーティリティと 自家製のインストールプログラム ``myinstall'' から成る 小さなクランチバイナリを記述しています。 ソースディレクトリは全く指定されていませんが、 オブジェクトファイルは .Nm special 行で直接指定されています。 .Pp クランチバイナリ ``kcopy'' は以下のようにして作成できます: .Pp .nf % crunchgen -m Makefile kcopy.conf # Makefile と kcopy.c 作成 % make objs # コンポーネントプログラムの *.o 作成 % make # クランチバイナリ kcopy の作成 % kcopy sh # シェル sh を起動できるかどうか試すと.. $ # うまくいった! .fi .Pp ここまでくれば、バイナリ ``kcopy'' をインストールフロッピにコピーし、 各コンポーネントプログラムの名前でハードリンクを設けることができます。 .Sh 関連項目 .Xr crunchide 1 .Sh 警告 .Nm crunch はクランチバイナリ中の各コンポーネントプログラム間のリンク競合を 除去するのに気を配っていますが、依然としてリンクされたライブラリ間で 競合が発生する可能性が残っています。 ライブラリ順の入れ換えが必要な場合もありますし、 二つのライブラリ間にどうしても解消できない競合が発生し、 結局ひとつにまとめられない場合も稀にあります。 .Pp BSD のバージョンによっては、デフォルトのビルド環境では 単一ソースファイルのプログラムに対して 中間オブジェクトファイルを作成しないことがあります。 その場合は ``make objs'' ターゲットを用いてオブジェクトファイルを 作成するか、他の調整を施す必要があります。 .Sh 作者 .Nm crunch は James da Silva によって作成されました。 .sp 0 Copyright (c) 1994 University of Maryland. 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