まえがき

訳: &a.kuriyama;, &a.hanai;, &a.nakai;. 5 November 1997.

FreeBSD 2.X FAQ へようこそ! この FAQ の目的は?

Usenet の FAQ がそうであるように, この文書も FreeBSD オペレーティングシステムに関して頻繁に尋ねられる質問を 網羅することを目的としています (もちろんそれに対する答えも!). FAQ は本来バンド幅を減らし, 同じ質問が何度も繰り返されるのを 避けるために作られたものですが, 最近は有用な情報源と 見なされるようになってきました.

この FAQ をできる限り有用なものにしようと, あらゆる努力が はらわれています. もし何かしらの改善案が浮かんだら, ぜひ まで メールを送ってください. FreeBSD って何?

FreeBSD 2.X はカリフォルニア大学バークレイ校が i386 系の プラットフォーム向けにリリースした 4.4BSD-lite をもとにした UN*X ライクなオペレーティングシステムです. 間接的には同じ バークレイ校の Net/2 を William Jolitz が i386 系に移植した 386BSD も基にしていますが, 386BSD のコードはほとんど残って いません. FreeBSD についての詳細と, 何ができるかについては を参照してください.

FreeBSD は企業やインターネットサービスプロバイダ, 研究者, コンピュータ専門家, 学生, 家庭のユーザなどにより, 業務や教育, 娯楽に用いられています. これらに関しては を参照してください.

FreeBSD に関するより詳しい情報は を参照してください. FreeBSD が目指しているもの

FreeBSD プロジェクトの目的は, いかなる用途にも使用でき, 何ら 制限のないソフトウェアを供給することです. 私たちの多くは, コード (そしてプロジェクト) に対してかなりの投資をしてきており, これからも多少の無駄はあっても投資を続けて行くつもりです. ただ, 他の人達にも同じような負担をするように主張している わけではありません. FreeBSD に興味を持っている一人残らず 全ての人々に, 目的を限定しないでコードを提供すること. これが, 私たちの最初のそして最大の「任務」であると信じて います. そうすれば, コードは可能な限り広く使われ, 最大の 恩恵をもたらすことができるでしょう. これが, 私たちが熱烈に 支持しているフリーソフトウェアの最も基本的な目的であると, 私は信じています.

私たちのソースツリーに含まれるソースのうち, GNU 一般公有使用許諾 (GPL) または GNU ライブラリ 一般公有使用許諾 (GLPL) に従っているものについては, 多少制限が 科されています. ただし, ソースコードへのアクセスの 保証という, 一般の制限とはいわば逆の制限 (訳注1) です. ただし GPL ソフトウェアを商用で利用する場合, さらに複雑になるのは 避けられません. そのため, それらのソフトウェアを, より制限の 少ない BSD 著作権に従ったソフトウェアで置き換える努力を, 可能な限り日々続けています.

(訳注1) GPL では, 「ソースコードを実際に受け取るか, あるいは, 希望しさえすればそれを入手することが可能であること」を求めています. どうして FreeBSD と呼ばれているのですか?

無料 (free) で使うことができる (商利用も含む). オペレーティングシステムの完全なソースコードが自由に (freely) 手に入り, 商利用・非商利用にかかわらず, 最低限の制限で他の仕事への利用, 配布, 導入が可能. 改良やバグフィックスがある場合, 誰でも (free) その コードを提出でき, ソースツリーに加えることができます (いくつかの簡単な条件には従ってもらいます).

母国語が英語でない読者のために, ここでは ``free'' という単語が 二通りに用いられていることを指摘しておくとわかりやすいかも しれません. ひとつは「無料である」ということ, もうひとつは 「自分のやりたいようにできる」ということです. FreeBSD のコードで FreeBSD の最新バージョンは?

が最新の stable バージョンで, 1997 年 10 月にリリース されました. また, これは最新の release バージョンでもあります.

簡単に言ってしまうと, -stable は 最新のリリースのすばらしい新機能の数々よりも, 安定性と変更回数の 少なさを好む ISP や他の企業のユーザをターゲットにしています. 今のところ, これらのバージョンは同一のものですが, この状況も -currentブランチが一般のリリースとして十分に洗練されるまでの ことでしょう.

これは 3.0-current snapshot がビジネスサービス向けとしては不安定である, と言っているわけではなく, 3.0 特有の機能 (新しいコンパイラ技術や 高速なネットワークコードなど) を必要とする多くの人たちは, これを 使う決定をし, 良い成果を収めています. 私たちとしては, このブランチでさらに実績を積むまでは, 3.0 が自信を持っておすすめめできるものあるということを 「保証」したくないだけなのです. FreeBSD-currentって何?

は オペレーティングシステムのの開発バージョンで, やがて 3.0-RELEASE となります. よってこれは, そこに携わっている開発者や, どんな障害をも乗り越えていけるタフな愛好家たちにとってのみ 興味深いものです. -current の使用に際しての詳細は を参照してください.

オペレーティングシステムに馴染みがない場合や一時的な問題か 本物の問題かを見極める能力がない場合は, FreeBSD-current を 使うべきではありません. このブランチは時々急激に拡張されたり, ビルドできない状態になることもちょっちゅうあります. FreeBSD-current を使う人は, 問題を分析して「小さな欠陥」では なく間違いであると思われるものだけを報告できるものと想定され ています. 「make world したら group 関係でエラーがでました」 のような質問は -current メーリングリストでは軽蔑の眼差しで あしらわれることもあります.

時たま, -current の開発コードから が作成され, snapshot の中からは 配布 CD-ROM が作成されることもあります. それぞれの snapshot には以下のような目的があります: インストールプログラムの最新版のテスト. 試してみたいけれど, 基礎的な所から毎日変わるような ものを追いかける時間もバンド幅も無い, という人にも -current を使えるようにする. また, そのような人たち のシステム移行のための手っ取り早い方法を提供する. あとでとんでもないことをしてしまった時のために, 問題となるコードの特定の参照基準点を保存しておく. (通常は CVS がこういうハプニングのような恐ろしい事態を防止して いるんですけどね :) テストが必要な新しい機能を, できる限り多くの 隠れテスターに試してもらう.

どんな目的であれ, snapshot が「製品レベルの品質」であるとの考えに 基づく要求は行わないでください. 安定性やテスト十分性にこだわる人は 完全なリリースから離れてはいけません.

3.0-current および 2.2-stable ブランチ両方の snapshot は, 平均的に一日に一度生成されており, から直接入手することが できます. FreeBSD-stable のコンセプトって何?

FreeBSD 2.0.5 がリリースされた後, 私たちは FreeBSD の開発を 2 系統に分割することにしました. 一つは というブランチで, バグの修正はしっかりテストされ, 機能の強化は少しずつしか行われません (急な変更や実験的機能を望まない, インターネットサービスプロバイダや営利企業向け). もう一方のブランチは で, 2.0 がリリースされて以来 3.0-RELEASE (そしてその後も) へ向けて脈々と 続いているものです. ASCII で描いた簡単な図がわかりやすいかは自信がありませんが, こんな感じになります: 2.0 | | | [2.1-stable] *BRANCH* 2.0.5 -> 2.1 -> 2.1.5 -> 2.1.6 -> 2.1.7.1 [2.1-stable 終了] | (1997年3月) | | | [2.2-stable] *BRANCH* 2.2.1 -> 2.2.2-RELEASE -> 2.2.5-RELEASE -> ... | (1997年3月) (1997年10月) | | 3.0-SNAPs (1997年第一四半期開始) | | 3.0.0-RELEASE (1998年第一四半期) | \|/ + [今後の 3.x リリース群]

以前の 2.1-stable ブランチが 2.2.0 がリリースされたことによって 終了し, 「安定版ブランチ」がいわゆる 2.2-stable として新しくなったのに対して, -current ブランチは 3.0 とその先へ向けてゆっくりと進化を続けています. 3.0-current は, 実際に 3.0 がリリースされるまで, 活発な開発の 舞台として続いていくでしょう. その時点で 3.0 は別のブランチとなり, 3.1-current が次の「最新ブランチ」となる予定です. 2.1-stable ブランチが 2.1.7.1 で終わったのはなぜですか?

三つのブランチの開発を続けたいのはやまやまなのですが, 残念ながら このような状況を効率的に扱えるバージョン管理ツールがまだ 存在しないのです. 現在我々が使っているツールで, 複数のブランチを数ヶ月以上の 長期間に渡って並行してバージョン管理し続けることは, まさに 悪夢のような作業なのです. 一方で 2.1-stable ブランチは一年以上も続いていますから, FreeBSD の開発者たちの作業の大変さを考えると, このまま継続することは 深刻な問題に陥りかねません. おそらくみんなが望むものを提供してくれるような方法がそのうち 考え出されるでしょうし, また, 我々もそのような方法について 検討中なのですが, 現状では古い -stable ブランチを (2.1.7 の後の最終リリース) で終了し, 2.2.2 からを新たな -stable とすることが 最善の手段であると考えています. FreeBSD のリリースはいつ作られるのですか?

原則的には, FreeBSD コアチームは新しい機能やバグフィックスが 充分集まり, リリースの安定性を損なうことが無いようにさまざま な変更が十分に安定しているという条件を満たしている場合にのみ, 新しいバージョンの FreeBSD をリリースします. たとえこの用心深さが新しい機能が使えるようになることを 待ち望んでいるユーザを欲求不満にさせるとしても, 多くのユーザは このことを FreeBSD の最も良い所の一つだと考えています.

平均的には, だいたい 6 ヶ月ごとにリリースが作成されます.

もう少し刺激が欲しい (あるいは待ち遠しい) 方々向けに SNAP というものが存在し, これは特にリリースに近付いてきた数ヶ月 ぐらいの期間により頻繁に公開されます. FreeBSD は PC 用だけしかないの?

現時点ではそうですが, DEC Alpha アーキテクチャへの移植 が計画されています. 異なるアーキテクチャのマシンを 持っていて, ゆっくり待てないという場合には次の URL を 参照してください. または . 誰が FreeBSD の責任者?

プロジェクトの全体的な方向性や, 誰にソースツリーにコードの 書き込み権限を与えるか, などといった FreeBSD プロジェクトに関する 重要な意思決定は 17 名からなる によってなされます. ソースツリーを直接変更できる人はもっと多く, 80 名以上の がいます.

しかし, 通常の変更ではないものはで先行して議論されますが, この議論への参加については一切の制限はありません. どこから FreeBSD を入手できますか?

FreeBSD のすべての主要なリリースは anonymous FTP 経由で から入手できます: 現在の 2.2-stable リリース, 2.2.5R は にあります. 現在の 3.0-current, 3.0-SNAP は にあります. 次の 2.2 ブランチのリリースへと向かっている RELENG_2_2 ブランチ (2.2.5 -> 2.2.x) に基づき一日に一回, リリースが作成されます. 不慮の手違いによるまれな例外もありますが, RELENG_2_2 ブランチは 注意深く保守されています (実験的な変更はなく, -current でテスト済みの 変更だけが入ります). リリースも ブランチ用に一日に一回 作成されており, これらは純粋に最先端の開発者およびテスターのために 提供されています.

また, FreeBSD は CD-ROM でも入手でき, 次のところでオーダできます.

Walnut Creek CDROM 4041 Pike Lane, Suite F Concord, CA 94520 USA Orders: +1 800 786-9907 Questions: +1 925 674-0783 FAX: +1 925 674-0821 email: WWW:

オーストラリアでは, 次のところに問い合わせてください.

Advanced Multimedia Distributors Factory 1/1 Ovata Drive Tullamarine, Melbourne Victoria Australia Voice: +61 3 9338 6777 CDROM Support BBS 17 Irvine St Peppermint Grove WA 6011 Voice: +61 9 385-3793 Fax: +61 9 385-2360

イギリスの場合は次のところです. The Public Domain & Shareware Library Winscombe House, Beacon Rd Crowborough Sussex. TN6 1UL Voice: +44 1892 663-298 Fax: +44 1892 667-473 FreeBSD のメーリングリストについて知りたいのですが?

完全な情報が にあります. FreeBSD のニュースグループは何がありますか?

完全な情報が にあります. FreeBSD の IRC (Internet Relay Chat) について何か情報はありますか?

FreeBSD の IRC に関して二つのチャンネルがあります. メインのチャンネルは, EFNET 上の #FreeBSD です. 正式な IRC サーバが使用できます. IRC クライアントで FreeBSD の本

Greg Lehey の本 ``Installing and Running FreeBSD'' が Walnut Creek から出版されており 2.2.5 の CD-ROM が付属しています. また, より詳しい本が ``The Complete FreeBSD'' というタイトルで 出ており, 印刷されたマニュアルページと 2.2.5 の CD-ROM が付属しています. 現在大抵の大型書店で入手できるはずです.

FreeBSD ドキュメンテーションプロジェクトがありますので, doc メーリングリストにコンタクトしてみてください (さらに参加すればもっとよいでしょう). . このリストは FreeBSD のドキュメントに関して議論するためのものです. FreeBSD に関する質問に対しては questions というメーリングリストがあります: .

FreeBSD の「ハンドブック」もあり, から読むことができます. 現在作業中ですので不完全な部分もあることに注意してください.

しかし, FreeBSD 2.2.X は Berkeley 4.4BSD-Lite2 ベースなので, ほとんどの 4.4BSD のマニュアルが FreeBSD 2.2.X にも応用できます. O'Reilly and Associates が以下のマニュアルを出版しています. 4.4BSD System Manager's Manual By Computer Systems Research Group, UC Berkeley 1st Edition June 1994, 804 pages ISBN: 1-56592-080-5 4.4BSD User's Reference Manual By Computer Systems Research Group, UC Berkeley 1st Edition June 1994, 905 pages ISBN: 1-56592-075-9 4.4BSD User's Supplementary Documents By Computer Systems Research Group, UC Berkeley 1st Edition July 1994, 712 pages ISBN: 1-56592-076-7 4.4BSD Programmer's Reference Manual By Computer Systems Research Group, UC Berkeley 1st Edition June 1994, 886 pages ISBN: 1-56592-078-3 4.4BSD Programmer's Supplementary Documents By Computer Systems Research Group, UC Berkeley 1st Edition July 1994, 596 pages ISBN: 1-56592-079-1

WWW 経由で以下の URL から, これらの詳細な説明を読むことができます.

4.4BSD のカーネル構成についてより徹底的に知りたいのなら, これなら間違いないでしょう:

McKusick, Marshall Kirk, Keith Bostic, Michael J Karels, and John Quarterman.

The Design and Implementation of the 4.4BSD Operating System. Reading, Mass. : Addison-Wesley, 1996. ISBN 0-201-54979-4

システム管理について参考になる本は次のものです.

Evi Nemeth, Garth Snyder, Scott Seebass & Trent R. Hein, ``Unix System Administration Handbook'', Prentice-Hall, 1995 ISBN: 0-13-151051-7

この本は TCP/IP だけでなく DNS, NFS, SLIP/PPP, sendmail, INN/NNTP, 印刷などの基礎を扱っています. 高価ですが (およそ US$45-$55), 買う価値はあります. また, 色々なツールのソースコードが入った CD-ROM が付属しています. しかし, それらのほとんどは FreeBSD 2.2.5R CD-ROM に収録されています (さらに FreeBSD CD-ROM の収録物の方がより新しい場合があります). Problem Report (障害報告) データベースにアクセスする方法は?

ユーザ変更要求のすべてが公開されている Problem Report データベースは 障害報告の の web ベースのインタフェースを通して, 問い合わせ (または提出) をおこなうことができます. また, send-pr(1) コマンドを使用して, 電子メール経由で障害報告や変更要求を提出することもできます. その他の情報

以下のニュースグループには FreeBSD ユーザに直接関係のある 議論が行われてます. (moderated)

Web 上のリソース: .

FreeBSD handbook には本当に完璧な の一覧があり, 買うべき本をさがしている方は読む価値があります.