ツール FDP では FreeBSD の文書を管理したり, 他の出力形式にに整形したりするため, さまざまなソフトウェアツールを利用します. FreeBSD の文書で作業するには, あなた自身がそれらのツールを使う必要があります. これらのツールはすべて FreeBSD の port や package として入手可能で, インストール作業は非常に簡単です. 以下の章に書かれた例を試すには, あらかじめ これらのツールがインストールされていなければなりません. 各ツールの実際の利用方法は, その例が書かれた章で説明されています. できるだけ <filename>textproc/docproj</filename> を利用してください textproc/docproj の port を使うとインストールする手間を大きく省くことができます. これは メタ(meta) port と呼ばれる port で, その中にソフトウェアが含むかわりに, 他のさまざまな port が正しくインストールされるように依存関係がつくられているものです. この port をインストールすると, この章であげられているソフトウェアのうち, あなたのシステムにインストールされていないものが 自動的にすべてダウンロードされ, インストールされます. 必要となるパッケージの一つに, JadeTeX マクロセットというものがあります. このマクロセットは, インストール時に TeX がインストールされていることを必要とします. TeX は非常に大きなパッケージですが, Postscript や PDF 形式の出力を行なわないならばインストールの必要はありません. 時間とディスクスペースの節約のため, この port をインストールする際に, JadeTeX(すなわち TeX を含む) を必要とするかどうかを指定する必要があります. 次のいずれかを, 場合に応じて実行して下さい. &prompt.root; make JADETEX=yes install &prompt.root; make JADETEX=no install 必須のツール ソフトウェア 以下のプログラムは, FreeBSD の文書で快適に作業するために必要なものです. これらはすべて, textproc/docproj に含まれています. SP (textproc/sp) 正当性検査のための SGML パーサや SGML 正規化ツールを含むアプリケーションのセットです. Jade (textproc/jade) DSSSL の実装です. これはマークアップされた文書を HTML や TeX といった他の形式に変換するために使われます. Tidy (www/tidy) HTML 整形ツールです. これは自動生成された HTML 文書を整形し, より利用しやすいものにするために使われます. Lynx (www/lynx-current) テキストモードの WWW ブラウザです. &man.lynx.1; は, HTML ファイルをプレインテキストに変換することができます. 文書型定義(DTD)と実体宣言(entity) 以下にあげるのは, FDP で使われている DTD と実体宣言集合(entity set)です. これらはいずれも, 文書を取り扱う前に必要となります. HTML DTD (textproc/html) HTML は, World Wide Web で採用されているマークアップ言語です. これは FreeBSD ウェブサイト全体でも利用されます. LinuxDoc DTD (textproc/linuxdoc) FreeBSD の文書には, LinuxDoc でマークアップされたものがあります. FDP では, LinuxDoc から DocBook への移行を積極的にすすめています. DocBook DTD (textproc/docbook) DocBook は, 技術文書のマークアップのために設計された DTD であり, FDP では LinuxDoc から DocBook への移行をすすめています. この原稿を執筆している時点で, FreeBSD ハンドブックが DockBook によってマークアップされています. ISO 8879 公開実体宣言 (textproc/iso8879) ISO 8879:1986 に規定された 19 種類の 文字実体集合です. これはたくさんの DTD で利用されるもので, 数学記号や latin 文字集合の追加文字(アクセント記号, 発音記号など), ギリシャ文字などが含まれます. スタイルシート スタイルシートは, 文書を画面表示や印刷などに利用される形式に変換, 整形するために使われます. Modular DocBook Stylesheets (textproc/dsssl-docbook-modular) Modular DocBook Stylesheets は, DocBook DTD でマークアップされた文書を HTML や RTF 形式に変換するのに使われます. 必須でない(optional)ツール もし必要性を感じないなら, 以下にあげるソフトウェアはインストールしなくともかまいません. しかしインストールしていれば, 文書の取り扱いに便利だと感じるでしょうし, これらを使うことで, より多様な出力形式で文書を出力することが可能となります. ソフトウェア JadeTeX および teTeX (print/jadetex および print/teTeX-beta) JadeteTeX は, DocBook 文書を DVI, Postscript, PDF の各形式に変換するのに使われます. また, このとき JadeTeX マクロも必要となります. 文書をそのような形式に変換しなくて良い (たとえば HTML, プレインテキスト, RTF で十分であるような)場合には, JadeTeX および teTeX をインストールする必要はありません. これらのインストールには大きなディスクスペースと時間を必要とします. teTeX は, 30MB を超える大きなものです. JadeTeXteTeX をインストールする場合には, JadeTeX がインストールされた後, teTeX の設定を行なわなければなりません. 必要な手順の詳細は, print/jadetex/pkg/MESSAGE に説明されています. Emacs もしくは xemacs (editors/emacs もしくは editors/xemacs) このエディタは両方とも, SGML DTD でマークアップされた文書を編集するための特別なモードを備えています. このモードには, 必要なタイプ量や誤りをを低減するためのコマンドがあります. どのようなテキストエディタでもマークアップされた文書を編集することは可能ですので, これらを使う必要があるというわけではありません. しかしおそらく, これらは便利なものだと感じると思います. もし, この他に SGML 文書を扱うために有用なソフトウェアをご存知でしたら, Nik Clayton(nik@FreeBSD.org) までお知らせ下さい. このリストに加えさせていただきます.