doc/ja/man/man8/pam.8
Jun Kuriyama c8496e4b91 Catching up to 3.1-19990210-BETA. (again)
Reviewed by:	Japanese Online Manual Project <man-jp@jp.FreeBSD.ORG>
Submitted by:	Kazuo Horikawa <k-horik@yk.rim.or.jp>
1999-02-12 13:42:53 +00:00

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6.8 KiB
Groff

.\" Hey Emacs! This file is -*- nroff -*- source.
.\" %Id: pam.8,v 1.2 1997/02/15 18:37:27 morgan Exp %
.\" Copyright (c) Andrew G. Morgan 1996-7 <morgan@linux.kernel.org>
.\" jpman %Id: pam.8,v 1.3 1999/02/11 09:24:24 kuma Stab %
.TH PAM 8 "1997 Feb 9" "PAM 0.56" "PAM Manual"
.SH 名称
PAM \- プラグ可能認証モジュール群
.SH 書式
.B /etc/pam.conf
.sp 2
.SH 解説
本マニュアルの目的は、
.B PAM
のクイックイントロダクションです。
更なる情報は、
.B "Linux-PAM system administrators' guide"
を御覧ください。
.sp
.BR PAM
は、システム上でアプリケーション (サービス) の認証作業を行う
ライブラリシステムです。
本ライブラリは、
一般的な不変のインタフェース
(アプリケーションプログラミングインタフェース - API) を提供します。
.RB ( login "(1) "
.BR su "(1) のような) "
特権許可プログラム
がこの API に従うことで、
標準の認証作業を遂行するようになります。
.sp
PAM アプローチの基本的な特徴は、認証作業の性質を動的に設定可能とすることです。
言い換えると、個々のサービス提供アプリケーションがユーザを認証する方法を、
システム管理者は自由に選択できます。
この動的設定は、単一の
.BR PAM
設定ファイル
.BR /etc/pam.conf
の内容で設定されます。
また、ディレクトリ
.B /etc/pam.d/
に個々の設定ファイルを置くことで、設定を行うこともできます。
.IB "このディレクトリがあると " PAM " は "
.BI /etc/pam.conf " を無視します。"
.sp
このマニュアルが対象とするシステム管理者にとっては、
.BR PAM
ライブラリの内部動作を理解することは最重要ではありません。
理解すべき重要なことは、設定ファイルがアプリケーション
.RB ( サービス )
と実際に認証作業を行うプラグ可能認証モジュール
.RB ( PAM )
との間の接続を
.I 定義する
ことです。
.sp
.BR PAM
は、
.I 認証
作業を次の 4 個の独立した管理グループに分割します:
.BR "account" " management (アカウント管理); "
.BR "auth" "entication management (認証管理); "
.BR "password" " management (パスワード管理); "
.BR "session" " management (セッション管理)。"
(設定ファイルでグループを表すために使用する短縮形を目立たさせています。)
.sp
簡単に言うと、これらのグループは、
それぞれ、
ある制限されたサービスに対する典型的なユーザ要求が持つ、異なった側面の
面倒をみています。
.sp
.BR account " - "
アカウント証明型のサービスを提供します。
「ユーザのパスワードが期限切れになったか?」
「このユーザは、要求するサービスにアクセスを許されているか?」
といった事柄を扱います。
.br
.BR auth "entication - "
ユーザが名乗っている人物本人であることを確定します。
この確定は、通常は、ユーザが満すべき「挑戦 - 応答」の要求で実現されます。
例えば「あなたが名乗っているその人本人であるなら、
あなたのパスワードを入力してください。」が該当します。
全部の認証がこの型であるわけではなく、
(スマートカードや生物測定学デバイスなどを使用する)
ハードウェアベースの認証方法があり、
適切なモジュールを使用することで、
より標準的な認証アプローチをシームレスに置き換え可能です -
これが
.BR PAM
の柔軟性です。
.br
.BR password " - "
このグループの責任は、認証機構を更新することです。
このようなサービスは
.BR auth
グループのサービスと強く結び付いているのが普通です。
認証機構によっては、自己の更新をこの機能に任せているものがあります。
標準の UN*X のパスワードベースのアクセスは、明らかな例です。
「代わりのパスワードを入力してください。」がこれに該当します。
.br
.BR session " - "
このグループの仕事は、サービス提供の前後に実行されるべきことをカバーします。
このような作業には、認証記録の維持と、
ユーザのホームディレクトリのマウントが含まれます。
開始時と終了時に
ユーザが利用可能なサービスに影響を与える
モジュールへのフックを提供するので、
.BR session
管理グループは重要です。
.SH 設定ファイル
.BR PAM
を意識した特権許可アプリケーションは、
開始時に PAM-API への取り付けを起動します。
この起動により多くの作業が行われますが、
最重要事項は設定ファイル
.BR /etc/pam.conf
の読み込みです。
これは、
.BR /etc/pam.d/
ディレクトリの内容であることもあります。
これらのファイルは、このサービスが要求する認証作業を行う
.BR PAM
の一覧と、個々の
.BR PAM
が失敗したときの PAM-API の適切な動作の一覧をリストします。
.sp
.B /etc/pam.conf
設定ファイルの文法は次の通りです。
ファイルはルールのリストから構成されます。
個々のルールは普通は単一行ですが、
`\\<LF>' で行末をエスケープすることで複数行に渡ることが可能です。
コメントは、前に `#' マークを置き、行末まで続きます。
.sp
各ルールは、空白で区切ったトークンの集合です。
最初の 3 つは大文字小文字を区別します:
.sp
.br
.BR " service type control module-path module-arguments"
.sp
.B /etc/pam.d/
ディレクトリ中のファイルの文法は、
.I service
フィールドが無い以外は同じです。
この場合、
.I service
.B /etc/pam.d/
ディレクトリ中のファイルの名前です。
このファイル名は小文字であることが必要です。
.sp
.BR PAM
の重要機能は、
ある認証作業用に多くの PAM のサービスを組合せる目的で、多くのルールを
.I 積み重ね可能
ということです。
.sp
.BR service
は、普通は、対応するアプリケーションの親しみのある名前です。
.BR login
.BR su
は良い例です。
.BR service " 名 " other
.I デフォルト
ルールを与えるために予約されています。
現在のサービスに関して言及する行のみが
(そのような行が存在しない場合は
.BR other
エントリが)、指定したアプリケーションに関連付けられます。
.sp
.BR type
は、そのルールに対応する管理グループです。
後続するモジュールをどの管理グループに関連付けるべきかを
指定するために使用されます。
有効なエントリは
.BR account "; "
.BR auth "; "
.BR password "; "
.BR session
です。
これらのトークンの意味は前述してあります。
.sp
第 3 のフィールド
.BR control
は、PAM-API がこの認証作業に失敗したときにどうすべきかを示します。
有効な
.BR control
の値は次の通りです。
.BR requisite
- この PAM が失敗すると、認証処理は即ちに終了します;
.BR required
- この PAM が失敗すると、究極的には PAM-API は失敗を返しますが、
それはこの
.RB "(" service
および
.BR type
の) 積み重なっているモジュールの残りが呼び出されたあとです;
.BR sufficient
- この種のモジュールが成功すると、
モジュールの積み重ねの認証条件を満します
(これより前の
.BR required
モジュールが失敗していた場合、このモジュールの成功は
.I 無視
されます);
.BR optional
- この
.BR service "+" type
に関連付けられているモジュールの積み重ねにおける唯一のモジュールである
場合のみ、このモジュールの成否は意味を持ちます。
.sp
.BR module-path
- アプリケーションが使用する PAM の完全なファイル名です。
.sp
.BR module-arguments
- 空白で区切られたトークンのリストであり、
指定した PAM の特定の動作を修正するために使用可能です。
引数については、個々のモジュールについて記述されているでしょう。
.SH 関連ファイル
.BR /etc/pam.conf " - 設定ファイル。"
.br
.BR /etc/pam.d/ " - "
.BR PAM
の設定ディレクトリ。本ディレクトリが存在する場合、
.B /etc/pam.conf
ファイルは無視されます。
.br
.BR /usr/lib/libpam.so.X " - 動的ライブラリ。"
.br
.BR /usr/lib/pam_*.so " - PAM。
.SH エラー
ライブラリの
.BR PAM
システムが発生する典型的なエラーは、
.BR syslog "(3)"
に書き込まれます。
.SH 準拠
DCE-RFC 86.0, October 1995.
.br
現在 DCE-RFC 委員会で検討されている追加機能も含まれています。
.SH バグ
.sp 2
知られているものはありません。
.SH 関連項目
.BR "システム管理者用" "、"
.BR "モジュール開発者用" "、"
.BR "アプリケーション開発者用
の、3 つの
.BR Linux-PAM
ガイド。