doc/ja_JP.eucJP/man/man9/vnode.9
Kazuo Horikawa cbddcb090f Catch up with 5.0-CURRENT-20030329-JPSNAP
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2003-04-13 20:06:51 +00:00

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Groff

.\" -*- nroff -*-
.\"
.\" Copyright (c) 1996 Doug Rabson
.\"
.\" All rights reserved.
.\"
.\" This program is free software.
.\"
.\" Redistribution and use in source and binary forms, with or without
.\" modification, are permitted provided that the following conditions
.\" are met:
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.\" (INCLUDING NEGLIGENCE OR OTHERWISE) ARISING IN ANY WAY OUT OF THE USE OF
.\" THIS SOFTWARE, EVEN IF ADVISED OF THE POSSIBILITY OF SUCH DAMAGE.
.\"
.\" %FreeBSD: src/share/man/man9/vnode.9,v 1.24 2003/03/06 23:55:51 ceri Exp %
.\"
.\" $FreeBSD$
.Dd June 30, 1999
.Os
.Dt VNODE 9
.Sh 名称
.Nm vnode
.Nd ファイルまたはディレクトリの内部表現
.Sh 書式
.In sys/param.h
.In sys/vnode.h
.Pp
.Bd -literal
/*
* vnode の型です。VNON は型が無いことを意味します。
*/
enum vtype { VNON, VREG, VDIR, VBLK, VCHR, VLNK, VSOCK, VFIFO, VBAD };
/*
* 個々の下位ファイルシステムはその私的な領域を割り当て、それを
* v_data から吊るします。ヌルでないならば、この領域は getnewvnode() で
* 解放されます。
*/
TAILQ_HEAD(buflists, buf);
typedef int vop_t((void *));
struct namecache;
/*
* これらの項目の読込みまたは書込みは適切なロックの保持を要求します。
* v_freelist はグローバル vnode_free_list 単純ロックでロックされます。
* v_mntvnodes はグローバル mntvnodes 単純ロックでロックされます。
* v_flag, v_usecount, v_holdcount および v_writecount は vinterlock
* 単純ロックでロックされます。
* v_pollinfo はその中に含まれているロックでロックされます。
*/
struct vnode {
u_long v_flag; /* vnode フラグ (以下参照) */
int v_usecount; /* ユーザの参照カウント */
int v_writecount; /* 書込み者の参照カウント */
int v_holdcnt; /* ページ & バッファの参照 */
u_long v_id; /* ケーパビリティ識別子 */
struct mount *v_mount; /* 今いる VFS へのポインタ */
vop_t **v_op; /* vnode 操作ベクタ */
TAILQ_ENTRY(vnode) v_freelist; /* vnode フリーリスト */
LIST_ENTRY(vnode) v_mntvnodes; /* マウントポイントの vnode */
struct buflists v_cleanblkhd; /* 綺麗なブロックリスト先頭 */
struct buflists v_dirtyblkhd; /* 汚れたブロックリスト先頭 */
LIST_ENTRY(vnode) v_synclist; /* 汚れたバッファ付き vnode */
long v_numoutput; /* 書き込み中の数 */
enum vtype v_type; /* vnode の型 */
union {
struct mount *vu_mountedhere;/* マウントされた VFS へのポインタ (VDIR) */
struct socket *vu_socket; /* UNIX IPC (VSOCK) */
struct {
struct specinfo *vu_specinfo; /* デバイス (VCHR, VBLK) */
SLIST_ENTRY(vnode) vu_specnext;
} vu_spec;
struct fifoinfo *vu_fifoinfo; /* FIFO (VFIFO) */
} v_un;
struct nqlease *v_lease; /* 貸出しのソフト参照 */
daddr_t v_lastw; /* 最後の書込み (クラスタ) */
daddr_t v_cstart; /* クラスタの開始ブロック */
daddr_t v_lasta; /* 最後の割当て */
int v_clen; /* 現在のクラスタ長 */
struct vm_object *v_object; /* VM オブジェクトの保存場所 */
struct simplelock v_interlock; /* 使用カウントとフラグのロック */
struct lock *v_vnlock; /* 非ロックファイルシステム用 */
const char *v_tag; /* 下位データの型 */
void *v_data; /* ファイルシステムの私的データ */
LIST_HEAD(, namecache) v_cache_src; /* 我々からのキャッシュエントリ */
TAILQ_HEAD(, namecache) v_cache_dst; /* 我々へのキャッシュエントリ */
struct vnode *v_dd; /* .. の vnode */
u_long v_ddid; /* .. のケーパビリティ識別子 */
struct {
struct simplelock vpi_lock; /* 以下を保護するロック */
struct selinfo vpi_selinfo; /* ポーリング側の識別 */
short vpi_events; /* 何を探しているのか */
short vpi_revents; /* 何が起こったのか */
} v_pollinfo;
};
#define v_mountedhere v_un.vu_mountedhere
#define v_socket v_un.vu_socket
#define v_rdev v_un.vu_spec.vu_specinfo
#define v_specnext v_un.vu_spec.vu_specnext
#define v_fifoinfo v_un.vu_fifoinfo
/*
* vnode フラグです。
*/
#define VROOT 0x00001 /* ファイルシステムのルート */
#define VTEXT 0x00002 /* vnode は純粋なテキストプロトタイプ */
#define VSYSTEM 0x00004 /* vnode はカーネルが使用中 */
#define VISTTY 0x00008 /* vnode は tty を表現 */
#define VXLOCK 0x00100 /* vnode は下位の型の変更のためロック中 */
#define VXWANT 0x00200 /* プロセスが vnode を待っています */
#define VBWAIT 0x00400 /* 出力の完了を待っています */
#define VOBJBUF 0x02000 /* VM オブジェクトにバッファを割当て */
#define VAGE 0x08000 /* フリーリストの先頭に vnode を挿入 */
#define VOLOCK 0x10000 /* オブジェクトを待つために vnode がロック */
#define VOWANT 0x20000 /* プロセスが VOLOCK を待っています */
#define VDOOMED 0x40000 /* この vnode は再利用中 */
#define VFREE 0x80000 /* この vnode はフリーリスト上 */
#define VTBFREE 0x100000 /* この vnode はフリーリスト行き */
#define VONWORKLST 0x200000 /* syncer 作業リスト上 */
#define VMOUNT 0x400000 /* マウント処理中 */
.Ed
.Sh 解説
vnode は
.Ux
でのファイル活動の中心です。
個々の活動中のファイル、
個々の現在のディレクトリ、個々のマウントされたファイル、
テキストファイル、およびルートのために割当てられた一意的な vnode があります。
.Pp
個々の vnode は 3 つの参照カウント、
.Dv v_usecount ,
.Dv v_holdcnt
および
.Dv v_writecount
を持っています。
最初のものはカーネル内でこの vnode を使用しているクライアントの数です。
このカウントは
.Xr vref 9 ,
.Xr vrele 9
および
.Xr vput 9
によって管理されます。
2 番目のものはカーネル内でこの vnode の再利用を拒否しているクライアントの
数です。
このカウントは
.Xr vhold 9
および
.Xr vdrop 9
によって管理されます。
vnode の
.Dv v_usecount
および
.Dv v_holdcnt
の両方が 0 に達すると、それからその vnode はフリーリスト上に置かれ、
ことによっては別のファイルシステムで、
別のファイルのために再利用されるかもしれません。
フリーリストへのおよびフリーリストからの移行は、
.Xr getnewvnode 9 ,
.Xr vfree 9
および
.Xr vbusy 9
によって取り扱われます。
3 番目のものはファイルに書込み中のクライアントの数のカウントです。
これは
.Xr open 2
および
.Xr close 2
システムコールによって管理されます。
.Pp
vnode を返すあらゆる呼び出し (例えば
.Xr VFS_GET 9 ,
.Xr VOP_LOOKUP 9
など) は vnode の
.Dv v_usecount
を 1 ずつ増やします。
呼び出し側が vnode の利用を完了したときには、この参照は
.Xr vrele 9
(または vnode がロックされていれば
.Xr vput 9 )
の呼び出しによって解放されるべきです。
.Pp
その他の共通に使用される vnode 構造体のメンバは、
名前キャッシュでの一貫性を管理するために使用される
.Dv v_id
と、その vnode を所有しているファイルシステムを指す
.Dv v_mount
と、その vnode が表現するオブジェクトの型を含む
.Dv v_type
と、その vnode のファイルシステム特有のデータを保存するために
ファイルシステムによって使用される
.Dv v_data
があります。
.Dv v_op
フィールドは vnode の機能を実装するファイルシステム内の関数を呼び出すための
.Dv VOP_*
マクロによって使用されます。
.Sh VNODE の型
.Bl -tag -width VSOCK
.It Dv VNON
型なしです。
.It Dv VREG
通常ファイルです。
VM オブジェクトの支持が有るかもしれませんし無いかもしれません。
必ず支持オブジェクトを取得したい場合には、
.Xr vfs_object_create 9
を呼び出します。
.It Dv VDIR
ディレクトリです。
.It Dv VBLK
ブロック型デバイスです。
VM オブジェクトの支持が有るかもしれませんし無いかもしれません。
必ず支持オブジェクトを取得したい場合には、
.Xr vfs_object_create 9
を呼び出します。
.It Dv VCHR
文字型デバイスです。
.It Dv VLNK
シンボリックリンクです。
.It Dv VSOCK
ソケットです。
通知ロックは動作しないでしょう。
.It Dv VFIFO
FIFO (名前付きパイプ) です。
通知ロックは動作しないでしょう。
.It Dv VBAD
古い形式のバッドセクタマップです。
.El
.Sh 実装に関する注
VFIFO は
.Pa /sys/kern/sys_pipe.c
の "struct fileops" を使用します。
VSOCK は
.Pa /sys/kern/sys_socket.c
の "struct fileops" を使用します。
その他の全ては
.Pa /sys/kern/vfs_vnops.c
の "struct fileops" を使用します。
.Pp
VFIFO/VSOCK のコードになぜか "struct fileops" が使用されている理由は、
カーネルへの VFS コードの不完全な統合の文化遺産です。
.Pp
.Xr vnode 9
インタロックを保持している時の
.Fn malloc
または
.Fn free
への全ての呼出しは、VM オブジェクトと vnode のもつれ合いのために、
LOR (ロック順序の逆転) を引き起こします。
.Sh 関連項目
.Xr malloc 9 ,
.Xr VFS 9
.Sh 作者
このマニュアルページは
.An Doug Rabson
が書きました。