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Groff

.\"
.\" Copyright (c) 1994 University of Maryland
.\" All Rights Reserved.
.\"
.\" Permission to use, copy, modify, distribute, and sell this software and its
.\" documentation for any purpose is hereby granted without fee, provided that
.\" the above copyright notice appear in all copies and that both that
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.\" ACTION OF CONTRACT, NEGLIGENCE OR OTHER TORTIOUS ACTION, ARISING OUT OF OR
.\" IN CONNECTION WITH THE USE OR PERFORMANCE OF THIS SOFTWARE.
.\"
.\" Author: James da Silva, Systems Design and Analysis Group
.\" Computer Science Department
.\" University of Maryland at College Park
.\" %FreeBSD: src/usr.sbin/crunch/crunchgen/crunchgen.1,v 1.28 2002/05/30 07:51:22 ru Exp %
.\"
.\" $FreeBSD$
.Dd November 16, 2000
.Dt CRUNCHGEN 1
.Os
.Sh 名称
.Nm crunchgen
.Nd クランチバイナリ構築環境を作成する
.Sh 書式
.Bk -words
.Nm
.Op Fl foql
.Op Fl h Ar makefile-header-name
.Op Fl m Ar makefile-name
.Op Fl p Ar obj-prefix
.Op Fl c Ar c-file-name
.Op Fl e Ar exec-file-name
.Op Ar conf-file
.Ek
.Sh 解説
クランチバイナリ (crunched binary) は、
たくさんの別々のプログラムをひとつにまとめて
単一の実行形式にしたプログラムです。
クランチバイナリの
.Fn main
関数は、
.Va argv[0]
の値をみて、
どのコンポーネントプログラムが実行されるべきかを決定します。
複数プログラムをクランチしてひとつにまとめる主たる理由は、
インストールフロッピあるいはシステム回復フロッピ上に、
できるだけ多くのプログラムを収納するためです。
.Pp
.Nm
ユーティリティは
.Ar conf-file
に記述されたクランチバイナリのための設定項目を読み込み、
.Pa Makefile
とそれに付随するトップレベルの C ソースファイルを生成します。
これらはビルド時に各コンポーネントプログラムからクランチした実行形式を
作成します。
オプションにより、
.Nm
は、各コンポーネントプログラムに対して、
そのソースディレクトリの
.Pa Makefile
から
プログラムを構成するオブジェクトファイル (.o) を決定することも試みます。
この情報は実行のたびにキャッシュされます。
.Nm
ユーティリティは関連するもうひとつのプログラム
.Xr crunchide 1
を用い、全ての不要なシンボルを隠すことで
コンポーネントプログラム間のリンク時のシンボル競合を防ぎます。
.Pp
.Nm
ユーティリティは特殊な要件をパッケージの
.Pa Makefile
に課しており、このことが原因で
.Pa Makefile
が非
.Bx
ソース用に使えなくなっています。
特に、
.Pa Makefile
はターゲット
.Ic depend
を含むことが必要であり、全オブジェクトファイルを変数
.Va OBJS
で定義することが必要です。
場合によっては、偽の
.Pa Makefile
を使えるでしょう。
.Nm
は、ソースディレクトリ
.Pa foo
中の
.Pa Makefile
を見る前に、現在のディレクトリ中の
.Pa Makefile.foo
を見ます。
.Pp
.Nm
実行後、
.Dq Li make -f <conf-name>.mk
を実行することで
クランチバイナリを作成できます。
コンポーネントプログラムのオブジェクトファイルは既に作成されている
必要があります。
出力される makefile に含まれる
.Ic objs
ターゲットは、
各コンポーネントプログラムのソースディレクトリで
.Xr make 1
を実行し、ユーザのためにオブジェクトファイルを作成してくれます。
しかしこのターゲットは自動的には実行されません。
リリースエンジニアリング環境では、オブジェクトを他のディレクトリで
修正するのは一般に望ましくないからです。
.Pp
オプションは以下の通りです:
.Bl -tag -width indent
.It Fl c Ar c-file-name
出力する C のファイル名を
.Ar c-file-name
とします。デフォルトの名前は
.Pa <conf-name>.c
です。
.It Fl e Ar exec-file-name
クランチバイナリの実行形式ファイルの名前を
.Ar exec-file-name
とします。デフォルトの名前は
.Pa <conf-name>
です。
.It Fl f
キャッシュを消去し、キャッシュされていたパラメータを強制的に再計算します。
.It Fl l
名前の表示。このバイナリが対応する名前を一覧表示します。
.It Fl h Ar makefile-header-name
.Nm
が生成する
.Pa Makefile
の先頭に含めるファイルの名前を設定します。
make の変数を定義するのに便利です。
これには、
.Xr make 1
の動作に影響を与え、環境変数を介してでは面倒である、
.Va RELEASE_CRUNCH
が含まれます。
.It Fl m Ar makefile-name
出力する
.Pa Makefile
の名前を
.Ar makefile-name
とします。デフォルトの名前は
.Pa <conf-name>.mk
です。
.It Fl o
各プログラムの make ターゲットに対し、
.Dq Li make obj
ルールを追加します。
.It Fl p Ar obj-prefix
.Ic objdir
を計算するときに、
.Ic srcdir
の前に付けるパス名を設定します。
このオプションが存在しない場合、使用するプレフィックスは
.Ev MAKEOBJDIRPREFIX
環境変数の内容か、または
.Pa /usr/obj
です。
.It Fl q
静粛処理モード。状況報告メッセージを抑制します。
.El
.Sh CRUNCHGEN コンフィギュレーションファイルコマンド
.Nm
ユーティリティは、クランチバイナリのコンポーネントについて記述した設定項目を
.Ar conf-file
から読み取ります。
最も単純な場合は、各コンポーネントプログラム名を、
そのソースファイルが置かれたトップレベルのディレクトリ名とともに、
単に列挙するだけです。
次に
.Nm
ユーティリティは (ソースの makefile によって) オブジェクトファイルリストと
その位置を求め、それをキャッシュします。
もっと特殊な場合には、
.Nm
が必要とするあらゆるパラメータを、ユーザが手動で指定することができます。
.Pp
.Ar conf-file
のコマンドは以下の通りです:
.Bl -tag -width indent
.It Ic srcdirs Ar dirname ...
コンポーネントプログラムのソースディレクトリがあるソースツリーのリスト。
これらのディレクトリは
.Bx
.Dq Pa <source-dir>/<progname>/
方式を用いて検索されます。
.Ic srcdirs
行は複数あってもよく、ディレクトリは記述された順に検索されます。
.It Ic progs Ar progname ...
クランチバイナリを構成するプログラムのリスト。
.Ic progs
行は複数あっても構いません。
.It Ic libs Ar libspec ...
クランチバイナリのリンク時に含めるライブラリ指定のリスト。
.Ic libs
行は複数あっても構いません。
.It Ic buildopts Ar buildopts ...
各 make ターゲットに追加される、ビルドオプションのリスト。
.It Nm ln Ar progname linkname
.Va argv[0]
.Ar linkname
が現われたときはいつも
.Ar progname
を起動するよう、クランチバイナリに要請します。
これにより、起動時の名前によって振る舞いを変えるようなプログラムも
正しく動作するようにできます。
.El
.Pp
特別な状況、例えば
ソースファイルがないとか、
従来の
.Pa Makefile
によらないビルドを行うといった場合に対応するため、以下に述べる
.Ic special
コマンドを用いてコンポーネントプログラムの
.Nm
パラメータを指定できます。
.Bl -tag -width indent
.It Ic special Ar progname Ic srcdir Ar pathname
プログラム
.Ar progname
のソースディレクトリを指定します。
通常は指定されたディレクトリ
.Ic srcdirs
内の
.Ar progname
ディレクトリを検索して決定されます。
.It Ic special Ar progname Ic objdir Ar pathname
プログラム
.Ar progname
.Pa obj
ディレクトリを指定します。
通常、
.Pa obj
ディレクトリは、
ソースディレクトリ名の前に次のいずれかのコンポーネントを付けたものとして
計算され、コンポーネントには次の順番で優先度があります:
コマンドラインにおける
.Fl p
の引数、環境変数
.Ev MAKEOBJDIRPREFIX
の値、または
.Pa /usr/obj
です。
もしディレクトリが見つからなければ、ディレクトリ
.Ic srcdir
自身が
.Ic objdir
となります。
.It Ic special Ar progname Ic buildopts Ar buildopts
ビルドオプション集合を定義します。
.Ar progname
処理時には、
.Nm buildopts
で指定されたものに加え、これらが追加されて
.Xr make 1
のターゲットが作成されます。
.It Ic special Ar progname Ic objs Ar object-file-name ...
プログラム
.Ar progname
のオブジェクトファイルのリストを指定します。
通常は、
.Dq Ic srcdir Ns / Ns Pa Makefile
をインクルードし
.Va $(OBJS)
の値を出力するような一時 makefile を構築する
ことで決定されます。
.It Ic special Ar progname Ic objpaths Ar full-pathname-to-object-file ...
プログラム
.Ar progname
のオブジェクトファイルのパス名を指定します。
通常は
.Ic objs
リスト中の各ファイルのパス名の先頭に
.Ic objdir
を付加することで決定されます。
.It Ic special Ar progname Ic objvar Ar variable_name
プログラム
.Ar progname
用のオブジェクトファイルリストを保持する
.Xr make 1
変数名を設定します。
これは通常
.Va OBJS
ですが、
.Pa Makefile
によっては別の規約を使用したいかもしれませんし、
変数名の前にプログラム名を付けたいかもしれません。例えば
.Va SSHD_OBJS
など。
.It Ic special Ar progname Ic lib Ar library-name ...
.Ar progname Ns Pa .lo
を生成するためにオブジェクトファイルとリンクするライブラリを指定します。
標準ライブラリに含まれるルーチンを再定義するライブラリを使用するときに
有用です。
.It Ic special Ar progname Ic keep Ar symbol-name ...
プログラム
.Ar progname
の保持リストに、指定するシンボルのリストを追加します。
各シンボルの前にはアンダスコア
.Pq Ql _
が付加され、
.Xr crunchide 1
フェーズでは
.Fl k
オプションの引数となります。
このオプションはシンボルが衝突するときの最後の拠所ですが、
シンボル解決の唯一の方法である場合もあります。
.It Ic special Ar progname Ic ident Ar identifier
.Ar progname
に対する
.Pa Makefile Ns / Ns Tn C
識別子を設定します。
これは通常、
.Ar progname
を元に、
.Ql -
.Ql _
にマップし、他のすべての非識別子文字を無視することにより、生成されます。
この結果、
.Qq Li foo.bar
.Qq Li foobar
は、同一の識別子にマップされてしまいます。
.El
.Pp
実際に
.Nm
が必要とするのは
.Ic objpaths
だけですが、
これは
.Ic objdir
.Ic objs
から求められ、これらも
.Ic srcdir
から求められます。
ですから、もし可能なら、初期のパラメータを指定し、あとは
.Nm
に求めさせたほうが便利な場合もあります。
.Pp
.Nm
が生成する makefile はオプションのターゲット
.Ic objs
を含みます。
これは、各コンポーネントプログラムのソースディレクトリ内で
.Xr make 1
を実行してオブジェクトファイルを作成するターゲットです。
これがうまく動作するためには
.Ic srcdir
および
.Ic objs
パラメータが正しいものでなくてはなりません。
もしこれらの値があるプログラムに対して不正なものであると、
.Ic objs
ターゲットではそのプログラムはスキップされてしまいます。
.Sh 実行例
.Nm
の入力コンフィギュレーションファイルの例として
.Dq Pa kcopy.conf
の内容を示します。
.Pp
.Bd -literal -offset indent
srcdirs /usr/src/bin /usr/src/sbin
progs test cp echo sh fsck halt init mount umount myinstall
progs anotherprog
ln test [ # test は [ として起動することもできる
ln sh -sh # init は argv[0] を "-sh" としてシェルを起動する
special myprog objpaths /homes/leroy/src/myinstall.o # ソースなし
special anotherprog -DNO_FOO WITHOUT_BAR=YES
libs -lutil -lcrypt
.Ed
.Pp
このコンフィギュレーションファイルでは、
いくつかの基本的なシステムユーティリティと
自家製のインストールプログラム
.Dq Pa myinstall
から成る
小さなクランチバイナリを記述しています。
ソースディレクトリは全く指定されていませんが、
オブジェクトファイルは
.Ic special
行で直接指定されています。
.Pp
さらに、
.Dq Pa anotherprog
構築時には、引数
.Pp
.Dl -DNO_FOO WITHOUT_BAR=YES
.Pp
がすべてのビルドターゲットに対して追加されます。
.Pp
クランチバイナリ
.Dq Pa kcopy
は以下のようにして作成できます:
.Pp
.Bd -literal -offset indent
% crunchgen -m Makefile kcopy.conf # Makefile と kcopy.c 作成
% make objs # コンポーネントプログラムの *.o 作成
% make # クランチバイナリ kcopy の作成
% kcopy sh # シェル sh を起動できるかどうか試すと..
$ # うまくいった!
.Ed
.Pp
ここまでくれば、バイナリ
.Dq Pa kcopy
をインストールフロッピにコピーし、
各コンポーネントプログラムの名前でハードリンクを設けることができます。
.Sh 関連項目
.Xr crunchide 1
.Xr make 1
.Sh 警告
.Nm
はクランチバイナリ中の各コンポーネントプログラム間のリンク競合を
除去するのに気を配っていますが、依然としてリンクされたライブラリ間で
競合が発生する可能性が残っています。
ライブラリ順の入れ換えが必要な場合もありますし、
二つのライブラリ間にどうしても解消できない競合が発生し、
結局ひとつにまとめられない場合も稀にあります。
.Pp
.Bx
のバージョンによっては、デフォルトのビルド環境では
単一ソースファイルのプログラムに対して
中間オブジェクトファイルを作成しないことがあります。
その場合は
.Dq Li make objs
ターゲットを用いてオブジェクトファイルを
作成するか、他の調整を施す必要があります。
.Sh 作者
.Nm
ユーティリティは
.An James da Silva Aq jds@cs.umd.edu
によって作成されました。
.Pp
Copyright (c) 1994 University of Maryland.
All Rights Reserved.